麻痺は運動神経に使う用語なので 正しくは、下歯槽神経の知覚異常、鈍麻 です。
下顎の周囲と舌の一部の感覚は三叉神経の一つの枝である、下顎神経により脳に伝わっています。
この下顎神経も途中で枝分かれをしており、主なものとしては、頬神経と舌神経となり、その後が下歯槽神経、最後の末端はオトガイ神経と名前がついています。又、不具合を起こす場所により、以下の名前が付いています。
- 下歯槽神経麻痺(片方の下顎の前方がしびれます。)
- 舌神経麻痺 (舌の半分の前の方がしびれます。また、舌前2/3の味覚も失われる場合があります)
- オトガイ神経麻痺(1より範囲が狭い下唇の一部周辺がしびれます。)
これは、不幸にして起こってしまう、歯科治療に伴う偶発症(偶然に起こってしう症状)の一つです。
患者さんにとっては、とても不快なのは言うまでもなく、歯科医にとっては、予想し得ない場合にも起こるので、とても悩んでしまう症状の一つです。10年歯科医をやっていれば、軽度の症例なら1例位は経験する程度の頻度だと思います
それではもう少し詳しくご説明をしましょう。