インプラント治療におけるサイナスリフト法は、上顎（上の歯が生える部分）の後方に位置する上顎洞（サイナス）の底を持ち上げ、骨量を増やすための手術的な方法です。これは、上顎の後方部分にインプラントを挿入するために、主に骨の高さが足りない場合に行います。

通常、上顎の後方部分には上顎洞があり、この洞は空洞で空気が通っているため骨の量が不十分なことがあります。インプラントを埋めるためには十分な骨の厚さと密度が必要ですが、この部位に十分な骨がない場合、サイナスリフト手術が行われます。

サイナスリフト手術の一般的な手順は次のようになります。

1. 局所麻酔をします：手術部位を麻酔し、患者さんが快適に手術を受けられるようにします
2. 上顎洞へのアクセス：口腔内の歯茎や粘膜を切開し、上顎洞のアクセスを確保します
3. 上顎洞底の粘膜（シュナイダー膜）を持ち上げる：上顎洞の底に特殊な器具を使用してシュナイダー膜を持ち上げ、洞内の空間を増やします
4. スペースへの充填：この空間に人工骨などの充填材料を挿入し、スペースを増やします。これにより、インプラントを安定させるための骨の十分な基盤を作ります
5. 治癒と骨の成長：手術後、骨が自然に再生および成長するのを待ちます。この過程では新しい骨が形成されて充填材料と統合し、十分な骨量が得られます
6. インプラントの挿入：骨が十分に成長した後、インプラントを挿入するための手順が行われます。この段階では十分な骨密度があるため、インプラントが適切に安定します

５番目の待つことを行わないで、この段階でイプラントを埋める場合も有ります。

ただし、上顎洞内に炎症が有る場合（蓄膿症や歯性上顎洞炎）などは、先にこの治療が必要になります。