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- 治療について - 即日セラミック治療

即日セラミック治療

従来の歯に被せる治療は

今までの治療は、被せるような治療をする場合、削った歯の型をドロドロの型取り材を口の中に入れて歯型をとりました。それに石膏を注いで石膏模型を作りました。歯科技工士がそれにワックス(蝋)を盛って彫刻し、それを鋳造という方法で作っています。

この方法の長所
  1. 安価な金属を使う事ができる
  2. 設備は必要ない
この方法の欠点
  1. 歯型を印象材という材料でとる必要があり、苦しい
  2. 歯科用セメントと金属はは接着しにくいので、金属冠が脱落する事やセメントの溶解により、その隙間から再度虫歯になる事がある。
  3. 1週間程度は仮歯で過ごす必要がある。これで咬み合わせが狂う事も多い。

最新の方法は

上記がアナログな方法に対して、最新の方法はデジタルです。マイクロスコープで見ながら歯を削るところまでは同じですが、その後のプロセスが全く違います。削った歯をペン型のビデオカメラで撮影(スキャンニング)します。そのデーターで3次元的な削った歯をパソコン上に作ります。これにコンピュータが計算をして被せものを設計します。そのデータを基にしてセラミックのブロックを専用の機械で歯の被せものの形に削って作ります。この方法は40年ほど前から、ドイツ・スイスで開発・研究されてきました。当初の精度はとても使えたものでは無かったそうですが、現在では超精密な補綴物(被せもの)ができるようになりました。当院でも7年ほど前からこのシステムを使っていますが、その間のソフトウエアのアップデートにより、精密さは格段に進歩しました。また、2023年12月にデンツプライシロナ社の更に進化したシステムである「プライムスキャン」を導入してあります。これによりスキャンの速度が大幅にアップしました。又、金属冠が入っても造影剤のパウダーを吹きかける必要も無くなりました。

この方法の特徴

特徴1 歯型を採らないで1分程度のビデオスキャンですので、苦しく有りません

あのドロドロした粘土の様な型取り材(印象材)で歯型を採る必要がありません。印象材は固まるまでに数分かかり、その間に喉の方に垂れて苦しくても我慢をしなければなりませんでした。また、シリコン製の印象材を使った場合には、既存の歯が抜けそうになり痛い思いをする場合が有りました。最新の方法では、非接触で更に1分以内で型取りが終了してしまいます。

特徴2 被せものの精度が高い

コンピューターで設計したデータを基に、工場生産された精度の高いセラミックブロックをミリングマシンと言う機械が10分程度で削って仕上げます。

  • 特徴3 従来では抜歯になっていたケースでも被せる冠を作る事が可能です

    歯が歯茎の中で割れてしまった場合、従来の歯型を採るような歯に接触する様な型取り方法ですと、印象材自体が出血を促すことにより精密な歯型を作る事ができませんでした。この様な場合は、残念ながら抜歯になってしまう場合も多かったのです。しかし、非接触式の場合はその様な事が起きませんので、歯が割れてしまった場合でも抜歯をしないで残せる場合が有るのです。

  • 特徴4 即日で精密な被せものの治療が終了します

    従来の様に、歯型の模型を作るのに固まるまで時間がかかる石膏の様な素材を使いません。すべてデジタル技術で模型を作りますので、冠を作る時間だけを考えれば最短15分程度で製作が完了します。なお、強度を高める為に焼成が必要な珪酸リチウム系の場合は、プラス30分程度は必要になります。それでも、歯を削ったそんの日に被せものの装着まで終了します。

  • 特徴5 仮歯の期間がありません

    仮歯は、即時重合レジンと言う素材で作ります。この材料では正確な仮歯を作る事は出来ません。本当に正確な仮歯を作ろうと思えば、即日セラミック治療で使うような技術で歯をスキャニングをして、仮歯用のプラスチックブロックをミリングマシンで削って作る必要があります。しかし、この様な事をする位でしたら、セラミックのブロックを削って歯に装着してしまえば良いのです。よって行いません。そのため即時重合レジンで作った仮歯を入れますが、咬みやすい事はありません。そして咬み合わせがズレる事があります。また、仮歯を外す時も非常に不快な場合が多いのです。即日セラミック治療はその様な仮歯の期間はありません。

  • 特徴6 再度虫歯になりにくいです

    ジルコニアを除くセラミック素材は、歯科用セメントと強固に接着をします。そしてそのセメントは唾液などで溶解をしません。よって冠と歯の間に隙間はできません。よって、その様な部分から再度虫歯になることは非常に少ないです。

  • 特徴7 臭いません

    セラミックは吸水性はありません。よって変色もしません。また臭う事もありません。

  • 特徴8 金属アレルギーを起こしません

    金属イオンを放出しません。よって、金属アレルギーにはなりません。金属アレルギーは長い期間がかかる事によりなります。そのため若い方にはセラミック治療をお勧めします。

 

即日セラミック治療ステップをご紹介します

step1 マイクロスコープによる精密な歯の形成

歯の形成とは、虫歯の分部を削り取り、セメントやレジンと言う素材で補填をして被せるための形態を作る事です。当院では、この形成を行う時にもマイクロスコープを使用して行います。セラミックの治療の形成は、セラミックの均一な厚みを要求されますので、歯を拡大をして治療をすることは非常に重要です。この際に、神経(歯髄)のある歯の場合は、局所麻酔を使用して痛みが無いようにして行います。

step2 歯を削った後 3Dカメラで口腔内を撮影します

治療する歯を形成した後、青色LED 3D光学カメラを使用して削った歯のビデオ撮影を行います。

わずか数秒から数分で終わります。全く苦しくありません。これだけの作業で患部の歯列がパソコンのモニター上に再現されます。
※症例によっては従来の型取りを、併用する場合がございます。

step3 コンピューターの3D画像上で 修復物を設計します

パソコンのモニター上であらゆる角度から、咬み合う部分や形を微調整し、理想的な形にしていきます。

設計後、用意してあるさまざまな色のセラミックブロックから、最も適した色や大きさのブロックを選びます。

step4 ミリングマシンが設計データをもとに加工します

ミリングマシンと呼ばれる機械が、コンピューターで設計されたデータをもとにドイツ製のセラミックブロックを削り出し、チェアサイドでみるみるうちに精度の優れた修復物を加工・作製していきます。

削っている間は、約15分、そばでご覧頂けます。

step5 口腔内へ装着して治療完了です

長石系セラミックは、ミリングマシンで削ってから多少の研磨をして歯に装着をします。二珪酸リチウムの場合は、電気炉で焼成・研磨して装着になります。そしてセラミック治療の場合、装着してからの調整も非常に重要です。装着時間は15分程度です。

これですべての治療が完了となります。即日治療と言っても、1時間から3時間程度で麻酔から虫歯を削り取って冠を被せるまで終了します。20年前からすれば夢の治療です。

即日セラミック治療に用いる素材

どちらの素材も、ブロックとしてメーカーから提供されています。それを院内のミリングマシンと言う機械で削り出して作ります。その加工時間は10分程度です。

1,長石系セラミック ★★★

ガラス系の要素が強いセラミックです。削りだしてそのまま歯に装着する事ができます。しかし、強度的には劣るために奥歯には不適切です。また、透過性の強いセラミックのために、神経(歯髄)を除去してある変色した歯の場合、内面の色が表面に透けて見えてしまう場合があります。そのため、根管治療(歯の根の治療)を行った前歯には不向きです。十分に厚みが取れるような場合で、咬む力もそれほど強くない場合の小臼歯(前歯と奥歯の中間)に適します。ただ、歯科用のレジンセメントとは非常に良く接着します。

2,二珪酸リチウム ★★★★★

世界的に最も使われている歯科用セラミック素材です。長石系セラミックよりも強度が高く、非常に歯に近い色調をしています。また、内部の色を透過する性質も低く歯科用セメントととも強固に接着する性質を持っています。ただ、長石系と大きく違うとことは削り出した後に、電気炉で数十分ほど焼成する必要があります。最初から焼成した様なブロックを作る事は当然可能ですが、その場合、硬度が高すぎてミリングマシンでは精密に削れないからです。つまり、削れる程度の硬度のブロックを精密に削ってから、電気炉で熱処理をして硬度を得るのです。この二珪酸リチウムの素材も近年、かなり改良されてきています。一番奥の歯の様に力がかかるような部分では、従来型の二珪酸リチウムでも割れるてしまう場合がありましたが、現在では更に硬度のある二珪酸リチウムのブロックが開発されて使われています。

(3、ジルコニア)

セラミックの中では、最も金属に近い性質を持っています。つまり非常に強度があり割れることは殆どありません。しかし、問題はかなりあります。歯科用のセメント(接着材)が付きにくいのです。つまり、外れやすい性質を持っています。そしてこの素材は、ある程度薄くしても内面の色が透けて見えることは殆どありません。ただし、色調は便器の様な単調な色になってしまいます。よって、この素材を単独で前歯に使う事は殆どできません。これを前歯に使う場合は、このジルコニアの上に陶材を載せて焼き付けて審美的なゾーンを作る必要があります。よって、この素材は当院では即日セラミック治療には入れておりません。

当院でのセラミック治療の特徴

セラミック治療で大事なのは、被せものの厚みを均一にする事です。これは咬む面だけでは有りません。被せものの周囲の厚みも一定である必要があります。これを肉眼で行う事は不可能です。そのため、当院ではマイクロスコープでの拡大下において正確な厚みを得る様にしています。

 

保険診療での白い冠との違い

日本の保険診療では、白い冠が保険適応になってまいりました。この白い冠のことをCAD/CAM冠(キャドキャム冠)と呼びます。一見、作製された冠をみると見た目は上記のセラミックと区別が付きません。また、作成方法もパソコンで設計して、ミリングマシンでセラミックやCAD/CAM冠用のブロックを削るプロセスも変わりません。

しかし、大きく違うのが素材の成分です。簡単に言うとセラミックはガラス成分の石(クォーツ)の様なものに対して、CAD/CAMの正体は実はプラスチックです。ただ、プラスチックだけですと強度が有りません。また、直ぐに摩耗をしてしまいます。よって、細かく砕いたセラミックをプラスチックの中に混ぜているのです。言い方はハイブリッドセラミックなどと言いますが、本当はハイブリッドプラスチックです。この冠の性質としては、金属冠よりも外れやすいのです。統計的には1年以内に1割程度が脱落してしまっています。また、プラスチックは吸水性があるために、経年変化で変色をしてきます。そして透明感は低く、それなりに白い冠と考えていただければよいです。

このCAD/CAM冠は、日本オリジナルと言われています。なぜならば、作る過程は上記のセラミックと殆ど同じで、素材だけが違うからです。諸外国の場合、日本の様に保険制度で冠が入ることは少ないのです。行う事が同じなら、何も性質が劣るCAD/CAM冠を選択する必要が無いからです。

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