日本の根管治療の現状
俗にいう、神経を取る治療。日本では諸外国に比べて治療成績は悪く、通院回数も多くかかっている治療です。その原因が40年にわたり根管治療の考え方が変わっていない治療法にあります。根管治療は根尖孔という歯髄が存在していた時には生体から栄養などを受けていた孔です。これをしっかりと塞がないために、根管内に残留した細菌や化学物質が漏れ出して症状がでたり、根尖病変(根尖病巣)を形成したりするのです。その原因が日本では40年前から変わらずに大学で教育されている側方加圧根充法であると私どもは考えています。簡単に言えば、この方法では根尖閉鎖は出来ないのです。大学の先生もご存じなハズなのですが、国家試験の出題基準がこの側方加圧根充法を重要視している以上、教育も変えられないのが現状な様です。詳しくは根管充填を参考に
又、日本の健康保険の根管治療の診療報酬(診療費用)は欧米はもとより、アジアの国々よりも大幅に安いのです。これも根管治療が上手くいかない原因の一つである事は疑う余地は有りません。
K.SRCT法
根尖病変を生じさせない。根尖病巣も治すことができる根管治療です。2018年に当院の医療法人理事長:久保倉弘孝が開発、発表した方法です。
- マイクロスコープを用いた徹底的な根管内の消毒・清掃
- 最小限の根管内切削に抑えたプロトコル
- 確実な根尖孔の閉鎖
K.SRCT法の全てを公開した専門書です。
191ページ オールカラー
ISBN978-4-931562-44-8
日労研発行 2018
全国、書店。Amazonでもお買い求めいただけます。
一般向けにK.SRCT法を紹介した本です。
全国書店、amazonでもお買い求めいただけます。223ページ
ISBN978-4-931562-42-4
日労研発行 2018
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とっぴな発想の治療ではありません
基礎となった治療方法が2つあります。それを組み合わせてあります。ベースの考え方は40年前に日本で発表された大津晴弘先生のオピアンキャリア法です。この方法は画期的でした。しかし、問題もありました。根管内を削り過ぎたのです。しかもロングダイアモンドバーという恐ろしく根管内を削ってしまう切削器具を使った点です。根管内を沢山、削ってしまった方が根管充填は楽になります。なぜならば、根尖孔の先は行きどまりなので、充填物を根尖孔に向けて押し込んだ時に、空気の存在が根尖孔の閉鎖を邪魔するからです。この場合、根管内を沢山削ってあれば、空気が抜けやすいからです。又、根充材も根尖孔近くまで運ぶことが可能だからです。
1980年代は、まだ虫歯の洪水の状態でもあり、根管治療後に歯根が折れるなどとは、思っていなかったのだと思います。そして、このロングダイアモンドバーの様なバーを使う事による穿孔症例も多発したのだと思います。よってこのオピアンキャリア法は廃れてしまいました。
そして、K.SRCT法の基礎になったのが、CWCT法の根管内切削方法です。この方法は、アメリカ人が考えた方法らしく、誰がやってもそれなりの治療成績が出るような方法です。それは、根管内を削る器具を規格化している事です。つまりこの根管には、この1番のドリルから5番までのドリルを使いなさい。そして根管充填には、最終ドリルの5番と同じ形態をした充填材を詰めると言う様な感じです。K.SRC法では、ドリルの規定よりも、最終的な根管形成の仕上がりを目盛りのついた器具を根管内に入れてその長さを測定します。そして、ある規定値に達したら、根管形成は終了となります。これはインプラントのホール形成(インプラントを埋めるための骨に開けた穴)からヒントを得ています。
開発のヒントになったのは、オピアンキャリア法の根管切削が危険すぎるために、ある時にCWCT法に切り替えたのです。しかし、CWCT法の根管充填では治らない症例が出てきたのです。そこでCWCT法で根管を削った状態で、オピアンキャリア法による根管充填を行ってみました。すると、殆どの症例で治る事に気が付いたのです。
K.SRCT スーパー根管治療の成功率 予後
初めて根管治療を行う場合の成功率(骨にまで問題ない)は96%。
他医院で根管治療を行った歯の再治療の成功率(溶けた骨まで再生)は88%
日本での成功率は30%から50%(須田による)
約10年に渡る症例を評価した結果です。
費用(今まで治療をしていない場合):抜髄処置
一度も根の中の治療をしていない歯の場合で、根の中を詰める根管充填を行うまでです。
治療に使うドリル類は全て、新品を使います。切れ味が良い事は言うまでも有りませんが、良くある過誤である根管内での器具の破折は起こりません。又、ラバーダムと言う物を使って、唾液中の細菌が入り込むのを抑制しマイクロスコープを確認しながら、充分な時間を取って治療をいたします。又、ピンセット等の器具は完全に洗浄、消毒をした器具を使います。
基本投薬料(3日分)も治療費に含まれます。
<上顎> 上の歯の費用(円・税込み)と治療回数
歯の種類 |
上顎前歯 |
上顎犬歯 |
上顎小臼歯 |
上顎大臼歯 |
歯の番号 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
治療費用 |
55,000 |
55,000 |
66,000 |
66,000 |
66,000 |
110,000 |
110,000 |
治療回数 |
1 |
1 |
1 |
2 |
2 |
3 |
3 |
<下顎> 下の歯の費用(円・税込み)と治療回数
歯の種類 |
下顎前歯 |
下顎犬歯 |
下顎小臼歯 |
下顎大臼歯 |
歯の番号 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
治療費用 |
66,000 |
66,000 |
66,000 |
55,000 |
55,000 |
132,000 |
132,000 |
治療回数 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
3 |
3 |
2回目以降には、再診料として5500円が毎回かかります。
根管治療小器具は、全て新品を使用。(Kファイル Hファイル エンドウェーブ)
ラバーダム防湿の上治療
充填物の除去から根管充填までの費用となります。
治療回数は平均的な治療回数を示しています。できれば1回で終了するのが望ましい。
治療費用の単位は円(税抜)
マイクロスコープによる精密な治療
1回の治療は1時間から1時間半程度です。2回目以降は、5500円の処置料が毎回かかります。
根管充填のシーラーはバイオセラミック系を使用(最も生体に優しい)
根管治療は、根の形や湾曲により治療成果は左右されます。よってマイクロエンドにより治療精度は上昇しますが、ごく希に一生懸命治療してもご期待にそえず抜歯になる事もあり得ます。その際には費用の返金はいたしません。
費用(一度根管治療をしてある歯の再度の根管治療の場合):再根管治療
一度根の中の治療をしている歯の場合。(再治療)
投薬料も治療費に含まれます。
抜髄処置に比べて、充填材を外す時間及び、根の中を綺麗にする時間がかかってしまいます。尚、なおこの再管処置については、前医の治療の仕方によっては、結果が出せない場合もありますので、治療適応にならない場合もあります。
基本投薬料(3日分)も治療費に含まれます。
<上顎> 上の歯の費用(円・税込み)と治療回数
歯の種類 |
上顎前歯 |
上顎犬歯 |
上顎小臼歯 |
上顎大臼歯 |
歯の番号 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
治療費用 |
77.000 |
77,000 |
110,000 |
110,000 |
110,000 |
1650,000 |
165,000 |
治療回数 |
1 |
1 |
2 |
3 |
3 |
3 |
3 |
<下顎> 下の歯の費用(円・税込み)と治療回数
歯の種類 |
下顎前歯 |
下顎犬歯 |
下顎小臼歯 |
下顎大臼歯 |
歯の番号 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
治療費用 |
110,000 |
110,000 |
110,000 |
77,000 |
77,000 |
209,000 |
209,000 |
治療回数 |
2 |
2 |
2 |
1 |
1 |
4 |
4 |
2回目以降には、再診料として5500円が毎回かかります。
治療を開始してすぐに、亀裂の発見、治療不能な大きな穿孔の発見等で予後不良が予想される場合は、30.000円(税抜)で終了
歯の中に金属の土台が入っている場合は除去が非常に大変な場合があります。10.000円~30.000円かかります。
穿孔部をプロルートで充填する必要が有る場合は、材料費として10.000円(税抜)かかります。
根管治療小器具は、全て新品を使用。(Kファイル Hファイル エンドウェーブ)
ラバーダム防湿の上治療
充填物の除去から根管充填までの費用となります。
治療回数は平均的な治療回数を示しています。根の中の状況によっては回数は増減します。
治療費用の単位は円(税抜)
マイクロスコープによる精密な治療
根管充填の際のシーラーはバイオセラミック系を使用(生体に最も優しい)
感染根管治療は、前医の治療の状態、根の形や湾曲により治療成果は左右されます。よってマイクロエンドにより治療精度は上昇しますが、ごく希に一生懸命治療してもご期待にそえず抜歯になる事もあり得ます。その際には費用の返金はいたしません。
治療後、外科的な根管治療が必要になった場合は、別途費用がかかります。
一回の治療時間は1時間~1時間半程度です。2回目以降は、5500円の処置料が毎回かかります。