『歯科医院で使う機器、半数以上のクリニックが使いまわし』の新聞記事
読売新聞に7月上旬に掲載されたこんな記事。
目にした方も多いかもしれません。
「機器」とは、歯を削る時に使用するエアータービンのハンドピースのことです。
先が細くてキュイーンと音がする、あの機器ですね。
これらは、お口の中を治療する為であるのはもちろん、
全ての医療器具を扱う医療従事者が高い意識を持ち、
患者様ごとに“清潔にした状態”で使用しなければなりません。
これはもう当然のこととして捉えたいところです。
しかし、残念ながらこの記事では、歯科医院の半数以上が
それを行わずにいわゆる使いまわしをしているというものでした。
「あぁ、またこんな記事が出てしまっている…」これが私の率直な感想です。
確かにハンドピースは精密医療機器といって、
熱にとても弱いパーツ(ベアリングやオーリング)が入っています。
これを滅菌処理するとなると、専用の滅菌器で130度以上の熱処理が必要です。
繰り返すうちに、機器の寿命が短くなることも否めません。
しっかり滅菌しようとすれば、時間もかかりますし
その間に使用できる機器のストックも十分な数量が必要です。
それから精密機器と同じくらい、この専用滅菌器もデリケートで壊れやすい。
さまざまな準備が必要であることから、このような新聞記事へと
繋がってしまうのかもしれません。
当院では約20年以上にわたり、器具の滅菌を徹底していますので、
ご安心いただきたいと思います。
また機器のストックもハンドピースは30本以上が常備されていますし、
滅菌器は通常使用している専用器以外にも、緊急時に備えて2台が予備用意されています。
「滅菌」とは、対象物(今回はハンドピース)に付着する最近をほぼゼロにすること。
国際的な基準は、滅菌処理をしたあとに100万個に対して1個だけ微生物の付着が
見つかる程度であれば、良しとされています。消毒や除菌などとは別の次元です。
清潔な環境で患者さんをお迎えする。
技術と同じくらい大切なテーマに、私たちは自身を持って挑んでいます。